「婚外子差別、違憲判断へ」
「衆院一票の格差、違憲判決!」
最近、やたらと目にする言葉が危険・・・ではなく
違憲(いけん)という言葉です。
でも、私もそうでしたが、「違憲って何?」
って聞かれると意外と答えることができませんよね。
「違憲って”何が”憲法に違反しているの?」
「合憲、違憲を判断する基準は?」
「違憲と違憲状態って違う意味なの?」
あなたもこのような疑問を持ったことが
あるのではありませんか?
そこで違憲について議論になるポイントを
簡単にまとめてみました。
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違憲とは?
違憲のお話をする前に、
そのベースとなる、「憲法とは何か?」
についてお話させて下さい・・・。
憲法とは、
国家のあり方について定めた国の最高法規のことをいいます。
- 国民主権
- 個人の権利の最大限の尊重
- 平和主義
などが日本国憲法の特徴で、「三大原則」と言われています。
憲法の最終的な目的は、「個人の権利の尊重」で
特に、国や地方公共団体と国民の間のことを規定しています。
「お上は、国民1人1人の権利を尊重しなさいよ」
というのが憲法の基本なんですね。
そして、「個人の権利の尊重」を実現するために、
憲法の条文の他、民法、商法などのたくさんの法律、法令(「法令等」)があるんですが、
それらの法令等が憲法に違反して制定されてしまう場合があります。
法令等は人が作るものですから、間違って作ってしまうこともありますよね。
そこで議論になるのが・・・
違憲かどうか?が議論になっている事例一覧
- 非嫡出子(婚外子)の相続
- 一票の格差(参議院・衆議院選挙についての)
- 弁護士の司法修習給費制の廃止
- 同性婚の排除
- 夫婦別姓
- 死刑
- NHKの受信料
- 自衛隊
- 児童ポルノ禁止法改正案
- 女子大の性別による差別
- 薬事法の薬局距離制限規定
- 郵便法の違憲事件
どうですか?
具体的な、キーワード、事例を眺めると「違憲が議論になるのはこういう時か・・・」
ってイメージが沸きますよね。
違憲判断の基準とは?
「他者の権利を害していないか?」
法令等が合憲か違憲かを判断するためには、
この「他者の権利を害していないか?」という視点が基本になります。
もし、他者の権利を害していないならば、法令等は必要ありません。
近代憲法の基本的な目的は、国家の規制(法令等)から国民の自由を保障すること
にあるからです。
経済学の祖アダム・スミスの『見えざる手』ですね。
「国民の活動はなるべく自由にやらせよう」
個人間で上手く機能している(他者の権利を害していない)ことに対して
法令等で規制をかける必要はないってことです。
憲法の基本的な目的で考えると、
法令等(国家による規制)は極力少ない方が良い
ということは覚えておいて下さい!
「分かりました。規制は少ない方が良いんですね」
「じゃあ、なんで国はいろんな法律を作って国民に様々な規制をするんですか?」
それは・・・
格差の是正や福祉などは、『見えざる手』に任せていると
実現するのが難しいからです。
だから、一定の範囲で法令等による国家の規制を認める必要があります。
そこで生まれた違憲判断の基準が、二重の基準です。
いかがですか?
「違憲判断についてポイントが少しは分かった」
そんなふうに思っていただければ幸いです。
判断に迷った場合は、憲法13条の「個人の権利の尊重」
に戻って考えてみて下さいね。