え?
ちょ・・・
釈放されるの???
富山県警の元警部補が釈放されたのは7月25日。
うーーーーん
「くやしい。自供は何だったのか?」
と遺族の方が記者会見でおっしゃっていましたが、
どういうことなのか?
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自供と自白の違いとは?
おそらくあなたも「自供」「自白」という言葉はご存じだと思います。
でも、私もそうでしたが、いざ「自供って何?」「自白って何?」
って聞かれると意外と答えることができませんよね。
「自供したら速攻で有罪になるんじゃないの?」
「自白と自供って何が違うの?」
「自供や自白しているのに無罪ってあり得るの?」
あなたもこのような疑問を持ったことが
あるのではありませんか?
自供という言葉の意味を辞書で調べると・・・
自供(じきょう)とは
[名](スル)警察官などの取り調べに対し、容疑者・犯人が自己の犯罪事実などを申し述べること。また、その述べた事柄。「犯行を―する」
引用元 goo辞書http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/95143/m0u/
「犯行の状況を自ら語る」ことが自供と言う言葉の意味です。
自白の意味も調べてみると・・・
自白(じはく)とは
1 自分の秘密や犯した罪などを包み隠さずに言うこと。「カンニングを―する」
2
㋐民事訴訟法上、当事者が相手方の主張する自己に不利な事実を認めること。また、その旨の陳述。
㋑刑事訴訟法上、自己の犯罪事実を認める被疑者・被告人の供述。引用元 goo辞書http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/99847/m0u/
自白には2にあるような「法律用語」としての意味があります。
そこが、自供との大きな違いですね。
自白は法律用語だけど、自供はそうではない
そこが、自供と自白という言葉の大きな違い
と言えそうです。
裁判上で問題になるのは
(法律用語である)自白の有無
なんですね。
自白しても無罪になることがあり得るのか?
結論から言うとあり得ます。
放火だろうが強姦だろうが殺人だろうが・・・
なぜなら、
自白は証拠の1つに過ぎない
からです。
自白とは裁判上は証拠という機能の1つでしかない
ということです。
そして、
供述証拠である自白を裏付ける物的証拠(非供述証拠)が必要!
それがなければ
自白があっても無罪になる可能性はあるってことになります。
自白に物的証拠が必要な理由とは?
自白=人の供述はとても不安定なものだからです。
実際、多くのえん罪事件は捜査段階の自白が
「信用できない」
とされたことから発覚しています。
富山市の夫婦殺人放火事件で元警部補が不起訴について
「客観的証拠と供述が矛盾していた」
富山地検は富山県警の元警部補を嫌疑不十分で不起訴とした理由についてそう語っています。
自白という供述証拠を裏付けるだけの物的証拠を集めることができなかった
ということです。
現在の刑事裁判では物的証拠などの客観的証拠なしに有罪に持ち込むのはかなり困難ですからね。
「週刊誌(週刊文春)に告白文を送ったときに対応していれば、もっと捜査できた」
遺族の一人は県警と地検の捜査への不信感をあらわにしています。
まとめ
富山市の夫婦殺人放火事件については、被告が警察官だったため、
「警察は同じ警察に甘い」
なんてコメントも多く見かけますが、
「自供、自白があっても物的証拠がなければ無罪になることはあり得る」
それが今の刑事裁判の基本です。